チェッカーズ「FINAL」

「さあベイビー、涙を拭いてくれ。さあ盛り上がるぜ。
俺たちは、久留米という田舎町から始まって、
一つの夢を追いかけて、東京という大都会に7人でやってきました。
いろいろ辛いこともありましたが、
いつも、7人だったって、、、

何にも辛いことなんかなかった、、、」

ファイナルステージでアンコール曲「Friend and Dream」を歌い上げ、感極まり涙でむせびながらこうファンに告げた。チェッカーズという伝説を作り上げた最後の瞬間、アマチュアバンドとして活動を始めてから10年間の思いが走馬燈のように藤井の心をよぎった。

「俺たちのロカビリーナイト」や「ギザギザハートの子守歌」などチェッカーズの歌詞は、閉塞した未来を打ち破りたいという想いが綴られている曲が多い。壁を打ち破ろう、リスナーにこう伝えたかったと思う。そして彼らはその閉塞を、歌を通じ打ち破ってきた。

そしてその見えない壁に立ち向かうための仲間がいたから、かけがえのない仲間がいたから、チェッカーズは80年代のポップス界に彗星のように現れて、スターダムを駆けめぐれたのだろう。夢を現実に変えるための何かを手に入れる希望を、藤井フミヤ、そしてチェッカーズが我々に与えてくれたことを忘れてはならない。