オリジナル・ラブ「朝日の当たる道」

中島美嘉、ないしは彼女を取り巻く秋元康系ブレーンは凄いとしか言いようがない。透明感漂う力強い歌声で「雪の華」や「STARS」などの佳曲を歌い上げたことで、一気に邦楽ポップスのスターダムにのし上がった。

ある日、彼女のセカンドアルバムを聴いて驚いた。「接吻」じゃないか、オリジナルラブがカバーされているなんて。だって90年代の曲じゃないの。おじちゃん真剣(マジ)Biqurie(ビクリー)しますた。

だってさ、まだタージマハールこと田島貴男率いるオリジナル・ラブはまだまだ現役でしょ。「夜をぶっ飛ばせ」、「サンシャインロマンス」、「いつか見上げた空に」、そして四枚目のアルバムタイトルが「風の歌を聴け」、やられた。

渋谷系ポップスをエレアコで奏で、村上春樹の作品に共感し、怠惰で繊細な学生生活がふと胸の先を過ぎっていった。それがこういう形でリメイクされるなんて。信じられない。ピチカートファイブ時代の田島が女王陛下に敬礼していたのも今は昔。

さらには久保田利伸の「Missing」までカバーしちょる。喫茶店の有線放送で聴いてたときには、鼻からコーヒー吹き出しそうになりました!むしろ吹き出しました!昼食のラーメンのかけらが出てきました!

彼女が触媒となり、90年代を過ごした俺と、これからカバー曲を聴いて90年代の空気を感じたがっている平成生まれの架け橋となるんだろうなあ。畜生、うまい商売だなあ。あと俺も年を取ったなあ。